オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『アナベル 死霊館の人形』

Annabelle, 98min

監督:ジョン・R・レオネテッィ 出演:アナベル・ウォーリス、アルフレ・ウッダード

★★

概要

人形が怖い話。

短評

死霊館』のスピンオフである。現在までに7作品が製作されているこのシリーズは、シリーズ間の繋がりや時系列が割と複雑なことになっていて混乱する。本作でアナベルという人形に襲われるミアを演じている女優の名前がアナベル・ウォーリスなので、余計に混乱する。

感想

中盤以降の怖いバージョンのアナベル人形は、火事の影響で肌が煤けているため大変不気味なことになっている。しかし、三十郎氏に言わせれば最初の状態から十分に怖い。あんな人形が部屋にあったなら、視線が気になって眠れなくなること必至である。こんな人形をもらって喜ぶミアはどうかしている。プレゼントする夫もどうかしている。しかし、煤けて不気味になったアナベルを嬉しそうに購入する最後の女性が一番どうかしている。

一体人形の何が彼女たちをそこまで惹きつけるのだろうか。三十郎氏には理解し得ない魅力があるに違いない。“彼女たち”と限定するのはジェンダーバイアスか。ドール愛好家の男性もいるし、美少女フィギュアの主な購買層も男性だろう。しかし、いわゆる“お人形さん”好きとして映画で描かれるのは女の子か女性である。映画がジェンダーバイアスを生み出すのか、それとも母性と何か関係があるのか。

導入部となるお隣のヒギンズ夫妻殺人事件の音のないシークエンスや、エレベーターの扉が閉まっても階を移動しないシーンはなかなか良かった。それ以外の怖がらせるシーンは、悪魔さんサイドが必要以上にドタバタしていた印象である。一番怖かったのは、ミアが余所見をしながらミシンを扱っているシーン。

アナベルはチャッキーのように自律して暴れ回るわけではなく、あくまで触媒である。幽霊の場合は土地に付属するので引っ越せば助かるが、悪魔は引っ越しても無駄という理屈らしい。日本で“持っているとヤバいもの”と言えば、呪いのアイテムである。日本の幽霊にせよ西洋の悪魔にせよ、なんらかの“物”を触媒としている。両者ともに触媒に頼らず物理干渉しても問題なさそうである。これは観客の住む世界との繋がりを強めることで怖がらせるという単なる仕掛けなのか。それとも別の意味があるのだろうか。

アナベル 死霊館の人形(字幕版)