オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ルイスと不思議の時計』

The House with a Clock in Its Walls, 105min

監督:イーライ・ロス 出演:ジャック・ブラックケイト・ブランシェット

★★

概要

両親を亡くした少年が魔法使いの伯父に引き取られる話。

あらすじ

孤児が親戚に引き取られる話と言えば、決まって親戚は悪い奴で、孤児は辛い思いもするものである。本作のジョナサン伯父さん(ジャック・ブラック)は悪い奴ではない。ちょっと怪しいけれど、愉快な伯父さんである。同居しているツィマーマン(ケイト・ブランシェット)といつも罵り合っているけれど、二人とも良い人である。しかし、孤児の物語には悪い奴が必要である。悪い奴はどこにいるのか?墓の中にいる。

感想

イーライ・ロス監督作品。グロ描写のエキスパートであるイーライ・ロスが、子どもが主人公の映画なんて大丈夫?と心配になるが、言われなければ彼が監督だと分からない程度にはちゃんと子ども向け映画に仕上がっている。少しは“らしさ”を見せるような演出もあるが、彼の本来の仕事という感じはしない。最も彼らしさが発揮されるのはロレンツァ・イッツォが出演しているところだろう。なお、昨年離婚したそうである。妻を脱がせまくる変態ぶりが好きだったのに。

意思を持った家や動く家具、ルイスが魔法を学んだり、墓から復活する悪い魔法使いとワクワクする要素は揃っている。不気味な人形やカボチャの化物といった子ども向けホラー描写も悪くはない。しかし、どうしても“イーライ・ロス”という名前が純粋に楽しませてくれない。何かエゲツない描写を仕込んでいるのではないかという期待が空振りに終わり、物足りなさを覚えるのである。

ジャック・ブラックケイト・ブランシェットのブランシェットの夫婦漫才的会話は面白い。「伯父さんのデカい頭が遺伝しなくてよかったわね」「君は綿棒みたいだ」とか「それがポーカーフェイス?人の顔じゃないわ」とか「君の困る顔を生きて見られた」「死ぬならお先にどうぞ」といった具合である。夫婦じゃなくてプラトニックだけど。クールに言い放つケイト・ブランシェットにニヤニヤさせられる。ルイスの魔法が失敗して慌てる姿も素敵である。

ルイスと不思議の時計(字幕版)