オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゆれる人魚』

Córki dancingu(The Lure), 92min

監督:アグニェシュカ・スモチンスカ 出演:ミハリーナ・オルシャンスカ、マルタ・マズルカ

★★★

概要

可愛い人魚の出てくる可愛くないミュージカル。

あらすじ

クール・ビューティーのゴールデン(ミハリーナ・オルシャンスカ)と柔和で可愛らしいシルバー(Marta Mazurek)の人魚姉妹の耽美的な物語。二人の名前は訳されたもので、正しくはポーランド語でZlota(ズオタ)とSrebrna(スレブルナ)のようである。

二人の人魚が陸に上がり、ナイトクラブで歌ったり脱いだりして働き出す。一人は人間のイケメンと恋に落ちる。しかし、彼女には男を食べなくてはならない理由がある。

感想

彼女たちは陸に上がると人間の身体になるのだが、人体モードでは“穴”がついていない(おかげで彼女たちが裸になっても見えそうで見えないとハラハラする必要はない)。魚体モードになると“穴”がついている。これはイケメンとの恋には障害となる。そこでなんと人間の女と外科手術で下半身を交換するのである。念願叶ってイケメンと交わるも出血してイケメンはドン引き。イケメンは早々と次の相手(Katarzyna Sawczuk。圧倒的美人)を見つけて結婚してしまう。どうする、人魚のシルバー?

RAW 少女のめざめ』以来久し振りに美女が人肉を食べる映画である。同作と同じく少女の変化と、変えられない部分を描いた映画である。可愛い女の子が血を滴らせて肉を貪る姿は何ともセクシー。三十郎氏も食べられてしまいたいけど、痛いのは嫌だなあ。

入れてと誘う魚体のシルバーに対してイケメンは「君は魚にしか見えないからできないよ」と言う。血が流れるシーンはグロテスクだが、魚体の彼女たちは艶めく、グロテスクには感じなかった。三十郎氏が誘われれば、ジョニーに屈するかもしれない。我々日本人は古来よりエイと交わってきた変態民族である。

シルバーの恋は報われない。デル・トロなら不満に思うかな、なんて思うものの、悲恋故の美しさというものがある。愛する人のために自己を捨てる行動を取り、彼を失った世界で生きても仕方ないとばかりに滅ぶ。三十郎氏にはそこまでできないので、食べてしまうだろうな。事前に別の男を食べるシーンを入れておくことで、“彼は”食べられないという葛藤や諦めがよく出ている。

ゆれる人魚(字幕版)

ゆれる人魚(字幕版)