オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ハードエイト』

Hard Eight(Sydney), 101min

監督:ポール・トーマス・アンダーソン 出演:ジョン・C・ライリーフィリップ・ベイカー・ホール

★★★

甲斐

老ギャンブラーと弟子。

短評

ポール・トーマス・アンダーソンの長編デビュー作。三十郎氏はなぜか『ブギーナイツ』がデビュー作だと勘違いしていて、恥ずかしながらその存在すら知らなかった。他の作品は全てチェックしているのに。プライム・ビデオに追加されなければ知らないままだった。

あらすじ

ラスベガスで一文無しになって座り込んでいるジョン(ジョン・C・ライリー)にシドニーフィリップ・ベイカー・ホール)が声を掛ける。ギャンブラーのシドニーはジョンにカジノでの稼ぎ方を教えてやる。困っている若者を放っておけない人なのかと思っていたら、全く別の事実が待っていた。

感想

シドニーがジョンにギャンブルを教える序盤のシーンを見ているときには、若者の成長を描く楽しいタイプの映画を予感させるが、主人公がジョンではなくシドニーだと気付いた頃にはとっても渋い映画になっている。血の繋がらない彼らの親子関係はなんとも不器用で切ない。

電話での会話には二つの演出パターンがある。一つは相手の声が観客にも聞こえて会話全体を把握できるもの。もう一つは相手の声が聞こえないものである。本作では後者の手法を使うことで、ジョンとシドニーの最後の会話が余韻たっぷりの印象的なものになっている。

シドニーのスーツ姿が格好いい。フィリップ・ベイカー・ホールは別にスタイルが良いわけでもないのに。肩のところがちゃんと合っていればバッチリ決まるんだな。

ダイナーでシドニーとクレメンタイン(グウィネス・パルトロー)が話しているときに、背後の客が怒声を上げて出ていく。そのときの「見ちゃった」みたいな表情が抜群に可愛い。唇をつまむ仕草もキュートである。劇中でも言及される彼女の名前の元ネタは『荒野の決闘』かな。

タイトルのハードエイトは、クラップスというサイコロを二つ投げるギャンブルにおける四のゾロ目の意味。カジノの従業員の半数は売春してるそうである。

ハードエイト (字幕版)

ハードエイト (字幕版)