オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゴジラVSデストロイア』

Godzilla vs. Destroyah, 102min

監督:大河原孝夫川北紘一 出演:辰巳琢郎石野陽子

★★★

概要

ゴジラメルトダウンする話。

短評

平成ゴジラシリーズ(またの名をVSシリーズ)の最終作となるシリーズ第22作。「水爆がゴジラを生んだのだから、水爆よりも強力なオキシジェン・デストロイヤーだって怪獣を生むよね」という発想は必然とも言える。『キング・オブ・モンスターズ』では、その格好よさに心の中の三十郎少年が小躍りしたバーニング・ゴジラが登場する。昭和の最後とは異なり集大成感のある一作。

感想

デストロイアのデザインは怪獣というよりもRPGのラスボスっぽい。直立という姿勢が人間的なキャラクターを感じさせるのだと思う(ゴジラジュニアはゴジラよりも前傾しており野生感がある)。人間が生んだ怪獣なので、ゴジラのように人気が出れば味方にされるかもしれない。ちなみにデストロイアはDestroyerではなくDestroyahなんですね。

最新技術を駆使した『キング・オブ・モンスターズ』ほどではないものの、紅く燃えるバーニングゴジラは格好よかった。身体から湯気が立ち昇り、海が沸騰するなど気合の入った演出が見られる。格好いいのだが、人間ごときに簡単に冷やされてしまうのは情けない。平成ゴジラはシリーズ全体を通じて人間側の能力を向上させすぎである。

山根家末裔のキモオタ青年が三枝未希の名前を聞いて目を輝かせる。三十郎氏はこの超能力者が嫌いなのだが、当時のファンには人気だったのだろうか。

ちゃんと分析できていないはずの事象を科学者が断定的に説明する姿には違和感があるのだが、それが庶民が専門家に求める姿かと思えば納得である。そのような“いわゆる専門家”が重宝されて世論はミスリードされるのだろう。分からないことを分かったつもりになろうするからそういうことになる。

昭和ゴジラが正々堂々とふざけていたのに対し、平成ゴジラは真面目を装ってふざけていた印象である。やっている事自体は同じである。超能力者をシリーズの中心に据えたのは当時の世相を反映したのかもしれないが、便利な道具として使いすぎである。技術的には進歩が見られるものの、到底現代の観客を満足させられるレベルではない。ビオランテの造形だけが新鮮で印象に残った。

ゴジラVSデストロイア

ゴジラVSデストロイア