オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『スキャナーズ』

Scanners, 102min

監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演:スティーヴン・ラック、ジェニファー・オニール

★★★

概要

超能力バトル。

短評

デヴィッド・クローネンバーグ監督作品。『ロード・オブ・ザ・リング』のサントラで有名なハワード・ショア出世作でもある。スキャナーと呼ばれる超能力者はテレパシーを用いるので基本的には地味な画になるし、ストーリーが面白いわけでもないのに、頭部爆破という印象的過ぎる演出が全てを持っていく。

あらすじ

フードコートで「何、あの男?私たちのこと見てるわよ。いやらしいわね」と自意識過剰なおばさんを超能力で襲撃してしまった主人公のベイル。超能力者を集める組織に連行され、悪い超能力者レボックを追うように指示を受ける。紆余曲折を経てレボックと対峙するベイル。明かされるスキャナー誕生の秘密。そして対決へ。

感想

超能力である。それもテレパシーである。相手の頭に働きかけて攻撃するという地味な行為は、呪文を唱えず、杖からエフェクトの出ないハリー・ポッター世界の戦いのようなものである。どうやって映画的に見応えあるものにするのか。本作では二通りの見せ方をしている。

一つ目は、表情と音楽だけで苦しみを表現するもの。攻撃を受けた者は顔を歪めて小刻みに震える。超能力設定抜きでこの演技だけを見れば頭がおかしいように映るだろうが、キーンと不快に甲高い音や不気味な不協和音を組み合わせることで攻撃シーンとして成立させている。ただ、これだけだと地味なので二つ目の出番である。

二つ目は、序盤の頭部爆破や最後の対決のようにグロ描写を用いるもの。こちらも互いに接触して攻撃するわけではないのでやっていること自体は地味なはずなのだが、顔が爛れ、身体が炎上し、白目を剥き、挙げ句は爆発とくれば観客の目は釘付けである。CGなしでこれは凄い。凄いが凄すぎないところに生身のリアリティがある。