オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『知らなすぎた男』

The Who Knew Too Little, 93min

監督:ジョン・アミエル 出演:ビル・マーレイ、アルフレッド・モリー

★★★

概要

演劇体験しているつもりの男の話。

短評

ビル・マーレイのとぼけっぷりが絶妙なコメディ映画。コメディではあるが巻き込まれ型サスペンスとして立派に成立している。緊迫感溢れるはずの物語が「勘違い」一つで笑いへと生まれ変わっている。

あらすじ

ロンドンに住む弟を訪ねたアメリカ人のウォレス(ビル・マーレイ)。弟のジェイムズは重要な商談があるので兄の相手をしていられない。厄介払いすべく商談の間はウォレスに街の中での演劇体験を楽しんでもらうことに。ウォレスが劇の指示を受けるべく取った電話はスパイへの指令だった。

感想

「人は自分が見たいものだけしか見ようとしない」とはよく言うが、本作もある意味ではそんな話である。素人が演じるには危険すぎる展開が多々あり、どこかで躊躇したり、おかしいと気付いてもよさそうなものだが、「これはシナリオ通り」なのだと信じ込むと、全てが演出に見えてもおかしくない。ウォレスの身に降りかかる出来事は映画でよく見るものであり、それがウォレスの勘違いを加速させる。

とは言え、普通の人はここまで役を演じ切れない。実に飄々と楽しげにこなしていく姿に違和感がないのは、ビル・マーレイのキャラクターあってこそである。徹頭徹尾勘違いし続ける能天気な男が実にハマっている。相手は本気なのに「オーケーオーケー、分かってるよ。そういうシナリオなんだろ」と乗り切っていく様子が全て面白い。

ヒロインのローリー(ジョアンヌ・ウォーリー)が登場シーンで着ているエロメイドみたいな衣装が素敵である。特にストッキングを履くシーンがエロい。『高慢と偏見とゾンビ』でベラ・ヒースコートがストッキングを履くシーンも好きなので、きっと三十郎氏がそういうフェチ持ちなのだと思う。