オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゴジラVSキングギドラ』

Godzilla vs. King Ghidora, 102min

監督:大森一樹川北紘一 出演:中川安奈豊原功補

★★★

概要

未来人がゴジラと戦う話。

短評

未来人の登場により平成から昭和へと引き戻された気分になるシリーズ第18作。日本が21世紀に世界最大の超大国になる前に怪獣を使って始末してしまおうというプロットは、物心がついた頃にはバブルが崩壊し失われた30年と共に人生を歩んできた三十郎氏にはただただ虚しく響く。怪獣なんていなくても日本は自滅する。そもそも本作が公開された1991年12月時点で既にバブルは崩壊していたので、製作者たちは自分たちの危惧が単なる思い上がりであることを突き付けられて虚しさを味わったことだろう。

あらすじ

未来人がゴジラのいない未来をつくる。キングギドラが現れて日本を蹂躙する。いなくなったはずのゴジラが復活してキングギドラを倒す。ここまでは昭和ゴジラ的なプロットだが、そこから先が本作の良いところである。キングギドラを倒したゴジラは満足して海へ帰るような真似はしない。ゴジラのあるべき姿を見せるべく日本襲撃を再開する。ここで再び未来人(の良い奴)が登場。メカキングギドラを携えてゴジラと再び相見えるタイムパラドックスは無視するものとして、怪獣の良心に頼らない展開は気に入った。20世紀の日本の技術でもゴジラの熱線を無効化できた世界で未来人があっさりやられるのは気に入らなかった。

感想

吊り下げているワイヤーは丸見えだが、キングギドラが羽を動かして飛行するための動作を見せている。吊り下げて動かしていただけの頃と比較すれば大きな進歩である。ただ、飛び立つシーンの表現は難しいのか、下半身だけを映して単純に吊り上げている。ゴジラの尻尾を掴まれたシーンでは上手く浮き上がっていたので、飛び立つ姿も工夫して見せてほしかった。

ゴジラキングギドラが正対して横から二体を映す構図は『キング・オブ・モンスターズ』にも引用されている。足元に難のあるゴジラが転ぶ描写は『シン・ゴジラ』でも採用されているし、平成ゴジラは現代の監督への影響が大きいらしい。

敗軍の指揮官が現代の日本でのうのうと生きていて、核ミサイルを搭載した原潜まで所有しているまでに好き放題している展開は、逆にリアルで笑える。

本作の未来人によると21世紀には三次元ホログラムが実用化されるらしい。これが本当なら三十郎氏が死ぬまでにジョイちゃんと生活するのも夢ではない。しかし、この未来人たちの語る未来は訪れなかったので、ジョイちゃんとの生活も訪れないだろう。残念至極である。

ゴジラVSキングギドラ

ゴジラVSキングギドラ