オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ランズエンド 闇の孤島』

Blood, 92min

監督:ニック・マーフィー 出演:ポール・ベタニースティーヴン・グレアム

★★

概要

刑事が容疑者を拷問し過ぎる話。

短評

北欧が舞台でもなければ(舞台はイングランド)、ミステリーでもないけれど、全編に北欧ミステリーのような陰鬱な雰囲気が漂う一作。主人公のジョー(ポール・ベタニー)とクリシースティーヴン・グレアム)は兄弟である。遺伝子仕事しろ。

あらすじ

少女の遺体が発見された。前科持ちのビューリーを容疑者として逮捕するも決定的な証拠はなく釈放されてしまう。これに怒ったジョー。酒の勢いも手伝ってビューリーを拉致して拷問し「自分がやった」と言わせる。カッとなったジョーはビューリーをシャベルで一撃、殴り殺す。

感想

物語のメインは“やっちゃったあと”の心の動きなのだが、“やってしまうまで”の描き方がとても雑。ジョーは隠蔽を図り、クリシーは罪の意識に苦しむが、三十郎氏に言わせれば「さっさと捕まってしまえ」である。導入部に難があるために、中盤以降のドラマが空疎なものになってしまっている。

たとえば容疑者を殺してしまうのが止むに止まれぬ行為ならば、感情移入は容易である。しかし、本作のように一時の感情に流されての行為であれば、なおさらその感情をきっちり描かなければいけない。ジョーが捕まることだけに正義があるように感じてしまうと、観客の心に葛藤が発生しない。

陰鬱な雰囲気は好きである。主役のポール・ベタニーをはじめ、スティーヴン・グレアムマーク・ストロングらも好演。なんだか勿体無い一作。

ジョーの父レニー曰く「しくじったら苦しめ。苦しまなくなったら辞めろ」。良い言葉である。すべての公僕は胸に刻んで欲しい。