オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゴジラ』

The Return of Godzilla, 103min

監督:橋本幸治、中野昭慶 出演:小林桂樹沢口靖子

★★★

概要

ゴジラが日本を襲う話。

短評

シリーズ第16作にして平成ゴジラの第1作。平成ゴジラに分類されてはいるが、本作が公開された1984年は、昭和生まれの三十郎氏もまだ生まれていない昭和である。シリーズの第2~15作をなかったことにして、日本の敵としてゴジラをリブートしている。『ターミネーター』シリーズみたいな話である。

感想

昭和ゴジラとの大きな違いは、ゴジラが人類の味方ではなくなったこと。ちゃんと悪そうな三白眼をして、近くに寄ると目が血走っている。着ぐるみの質感もアップデートされており、より硬そうな皮膚を手に入れている。見た目が硬そうなだけではなく実際に硬いのか、ゴジラの動きはかなり制限を受けているように見える。昭和のふざけた動きよりはずっとマシだが、やはり物足りなさはある。

日本が米ソ両国の核使用の要望を撥ね付け独力でゴジラを撃退するという本作のプロットは『シン・ゴジラ』にも踏襲されている(ゴジラの口に何かを入れて眠らせたり、撃退方法がイマイチなのも同じ)。ただ、日本の首相が非核三原則を盾に毅然と断るというのはあまりにも理想然としており、ギャグにしか見えない。秘密裏にヨーロッパ各国の協力を取り付けるという外交手法を見せた『シン・ゴジラ』の方が、その点では上回っている。すぐにゴジラが登場してくれたので助かったが、ソ連の原潜が沈んだときに「米軍は関係ありません。ゴジラのせいです」なんて発表すれば、「そんなわけがあるか!」とソ連が怒って戦争になるだろう。

破壊される東京のセットはよく頑張っていた。これまでのシリーズを規模、質ともに大きく上回っていたのではないか。最初に出てきた巨大フナムシがチープな質感で、動きも「いかにもワイヤーで吊り下げてます」というものだったので不安を感じたが、約10年の間に技術的、予算的成長が感じられる。 

ゴジラ ('84)

ゴジラ ('84)