オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『シェルブールの雨傘』

Les Parapluies de Cherbourg(The Umbrellas of Cherbourg), 92min

監督:ジャック・ドゥミ 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ

他:パルム・ドール(当時の名称はグランプリ)

★★★

概要

男が戦争に行っている間に女が金持ちと結婚する話。

短評

地の台詞が一切ない、全編に渡って歌い続けているミュージカル。ダンスがないのはミュージカルとして物足りない気もするし、歌ってばかりだと違和感は拭えないしメリハリが感じられないしで少し苦手なのだが、観ている内に慣れてくる。

感想

ヒロインのジュヌヴィエーヴを演じるカトリーヌ・ドヌーヴ。今では三十郎氏の名前を奪って「三」と呼び出しそうなほどの貫禄を身に着けているが、この頃はスラリとして可憐さの頂点を極めている。天女である。目覚めたときに彼女が隣にいれば「ここが天国か……」と納得するに違いない。マドレーヌ役のエレン・ファルナーも可愛いが、やはりブロンドには華がある。

悲しい物語ではあるものの、そうなるより他にない運命だと思う。ただ、この展開で一番得をしたのがエムリ夫人だというのは納得がいかない。娘を宝石商とくっつけるよりもあわよくば自分が的な桃色未亡人感がある。色彩の美しい映画だが、エムリ夫人の周囲は店も自宅も壁紙が桃色だらけである。

ラストの再会はとても切ない。ギイはマドレーヌと幸せな家庭を築いているように見えるが、ジュヌヴィエーヴの方はそうは見えない。彼女の隣に夫がいないことからも、上手くいっていいないのではないかと感じる。そこから逆算すると、『ラ・ラ・ランド』はそれぞれ幸せになっていると考えてもよいのか。

シェルブールの雨傘(字幕版)