オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』

Free State of Jones, 139min

監督:ゲイリー・ロス 出演:マシュー・マコノヒーマハーシャラ・アリ

★★★

概要

南軍の脱走兵が南軍と戦う話。

あらすじ

戦死した甥を故郷で埋葬するために軍から脱走したニュートン・ナイト(マシュー・マコノヒー)が、黒人の脱走奴隷たちと行動を共にし、南軍と戦うことになる事実を基にした話である。

感想

ナイトの当初の目的は黒人を救うことではなく、悪辣な南軍から農家を守ることである。軍部による民間人への締め付けが厳しくなると敗戦するのは、後世の映画により植え付けられた偏ったイメージだろうか。敵軍との戦いに勝てないから、立場の弱い者に対してより高圧的になる。締め付けが厳しくなると反発も強くなるので、より強く抑えつけるしかない。敗北に向けた負のスパイラルに陥っているように感じるが、敗軍の悪辣さを強調しているだけのようにも感じる。勝った側はどうなのだろう。

ナイトの描かれ方は白い救世主的だが、彼の方が黒人に救われて生き延びているという側面もある。彼に救われた黒人がいることは事実なのだろうが、それを映画にすると「白人の救世主」という差別的な文脈に収められるのは皮肉な話である。

ナイトが負傷兵を基地へと運ぶ背景にさりげなく映っているのだが、死んだ兵士を豚が貪っていて戦慄する。

現在はリベラル側の民主党が当時は奴隷制を支持している。伝統的に〇〇党が強い地域という表現がよく使われるが、政党の政策位置の変化は地域の中間層に合わせて行われるのだろうか。政策位置が変化せず、地域が支持態度を変更する例とどちらが多いのだろう。