オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『デビルズ・バックボーン』

El Espinazo del Diablo(The Devil's Backbone), 107min

監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:エドゥアルド・ノリエガ、マリサ・パレデス

★★★

概要

孤児院の幽霊。

短評

ミミック』製作時のひと悶着でハリウッドに愛想を尽かしたデル・トロが、スペインでペドロ・アルモドバルの助力を得て完成させた一作。彼の評価を決定づける『パンズ・ラビリンス』と同じくスペイン内戦を舞台とした物語である。

感想

デル・トロの映画を形容するときには「グロテスクであり且つ美しい」という凡庸な言葉しか思い浮かばない。サンティという幽霊は額から水中で出血しているように赤いものを浮かべている。彼の姿は不気味だが、悲しさを湛えた表情とも言えぬ表情には美しさを感じる。胎児を漬け込んだ奇酒もまたグロテスクだが、独特の美しさがある。

対して孤児院のファシストとも言うべきハチントの内面はグロテスク一辺倒かと思われたが、金庫で見つけた自分の幼少時代の写真を見る姿はどこか寂しい。きっと彼もまた戦争に変えられた被害者なのである。

幽霊は怖い。人間も怖い。戦争も怖い。しかし、それら全てを生み出す大きな流れのようなものがもっと怖い。

コンチータが「元気の素」と言って子どもたちに食べさせているのは何だろう。