オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ザ・ドライバー』

The Driver, 92min

監督:ウォルター・ヒル 出演:ライアン・オニールイザベル・アジャーニ

★★★

概要

強盗を逃がす無口なドライバーの話。

短評

『ドライヴ』や『ベイビー・ドライバー』の元ネタ的作品。そこに『サムライ』のようなフィルム・ノワール風味がミックスされた静謐な犯罪映画である。

感想

道路や駐車場、加えて倉庫で、これでもかと言わんばかりにドライビング・テクニックを見せびらかす。三十郎氏は十年ものの熟成されたペーパードライバーなので、よくもこんなに怖ろしい運転の仕方ができるものだと感心する。カーチェイスをしている時間がとても長く、名前も分からぬドライバーがその名の通りただ車を運転する者として君臨している。

徹底的に無駄を削ぎ落とした本作は登場人物の名前さえない。The Driver(運転手)、The Detective(警部)、The Player(カジノの女)といった具合に役割を割り当てられているだけである。物語性すらも排除されており、その徹底ぶりに美学を感じる。

うっとりするほど美しいイザベル・アジャーニ。謎の美女だが、主人公を破滅させるようなファム・ファタールではない。物足りなさを感じるが、それもまた無駄な要素なのだろう。

BGMの使用も少なく、エンジン音とブレーキ音だけが響き渡っている。