オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』

Godzilla vs. Gigan, 89min

監督:福田純 出演:石川博、梅田智子

★★★

概要

ゴジラアンギラスキングギドラガイガン

短評

シリーズ第12作。宇宙人が怪獣を使って地球侵略を企む話である。「またかよ……」と思わずにはいられない展開に加えて、監督には苦手な福田純が復帰している。

感想

「ストーリーを気にしたら負け」という重要な事実に、昭和シリーズが終盤に差し掛かってようやく思い至った。これは積極的な肯定ではない。諦めである。出来の悪い物語は本編の楽しみを阻害する。

福田純という監督はどこまでも子ども向けゴジラを追求しようとする。本作の主人公が漫画家のためか、ゴジラアンギラス吹き出しを使って会話をする。「ていさつにいってこい」「りょうかい!」。阿呆か。

キングギドラガイガンが地球に襲来し、ゴジラたちは怪獣島から本土へと急ぐ。ゴジラが「いそげよ!」と急かす割にのんびりしているので、キングギドラたちが街を破壊する様子をじっくりと楽しめる。破壊シーンは夜のため、キングギドラの光線や、爆発、炎がよく映える。

戦いはこれまでには見られなかったタッグ・マッチである。ゴジラキングギドラを羽交い絞めにしてアンギラスが背中のトゲを突き刺すといったプロレス的な動きを見せる。ガイガンゴジラに体当たりしようとしてキングギドラへのフレンドリーファイアとなり、仲間割れするのもプロレス的である。ゴジラキングギドラに背負投げを決めるシーンが気に入ったのか、何度も映像を使い回すのはやり過ぎである。

鋭い鉤爪を持つガイガンの攻撃によりゴジラが出血する。これもこれまでには見られなかった演出である。光源の変化でゴキブリ星人の影が変わるのはホラー映画的。男たちをバッタバッタとなぎ倒す強い女性が出てくるのも新鮮。駄目なところも多いが、破壊と戦闘のシーンが長く、意外な演出もあったので楽しめた。福田純との和解の瞬間である。それでも過去の作品と吹き出しは許さない。信用したわけではない。

M宇宙ハンター星雲人が用いる怪獣を操る謎テープは『キング・オブ・モンスターズ』のオルカの元ネタだろうか。