オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『長い裏切りの短い物語』

Breve storia di lunghi tradimenti(The Lithium Conspiracy), 106min

監督:ダヴィデ・マレンゴ 出演:カロリーナ・クレシェンティーニ、グイド・カプリノ

★★★

概要

リチウム採掘を巡る陰謀。

短評

舞台となっているケマダ湖は架空の存在だと思われるが、モデルは日本人にも人気のウユニ塩湖だろう(登場するのは鏡張りの雨季ではなく乾季である。外国人にはこちらの方が人気だとか)。同じく人気スポットの「列車の墓場」も登場し、それらの地域の因縁を巡って国際資本が暗躍するサスペンスが描かれる。

感想

全体的に雑な造りだが、「植民地化の手段が武力から金に変わった」というテーマが面白いので最後までそれなりに楽しめた。テンポの良い巻き込まれ型サスペンスである。テーマが良いのだから、塩湖の地下に眠るリチウムとその歴史という素材に焦点を絞ればいいのに、事故を起こして空売りで儲ける(『007 カジノ・ロワイヤル』にも出てきた手法)といった展開まで出てきて散漫になった印象がある。

三十郎氏は「過去」が「現在」に繋がる展開が好きである。なんとなく壮大な感じがして物語に奥行きが出る気がする。

緊迫したシーンのはずなのに、セグウェイで追いかけっこする姿がコメディチックだったり、銃の構え方が絶妙に格好悪かったりと少し抜けいているところがある。

強権的な桃色女上司セシリア(カロリーナ・クレシェンティーニ)は、性別が逆でなくとも、純度100%のセクハラ上司だろう。ホテルの廊下を歩きながら靴を落として従業員を部屋へと誘う痴女でもある。同じ手が主人公のジュリオに通用しなかったのは笑えるが、痴女には(下半身が)逆らえないので、結局彼らは交わる。彼女の自宅には「響」が置いてある。イタリア映画にジャパニーズ・ウイスキーが出てくるなんて、なかなかの通である。他にもジュリオの服に「あ秋冷」と書いてある日本要素がある。