オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ミケランジェロ・プロジェクト』

The Monuments Men, 118min

監督:ジョージ・クルーニー 出演:ジョージ・クルーニーマット・デイモン

★★★

概要

ナチスに略奪された美術品を奪還する話。

短評

スリルも迫力もない戦争映画。通常の戦争映画にあるべき要素がないということは、戦争の新たな一面を見せてくれるということである。第二次大戦の戦闘の裏でこのような努力が行われていたことを知れて勉強になったし、「モニュメンツ・メン」の存在に感謝したくなる。

感想

事実を大胆にアレンジして一つの奪還作戦に絞った方がエンターテインメントとしては面白くなっただろう。ナチスは色んな所に美術品を隠しているものだから捜索チームは分散し、それぞれのエピソードの比重は軽くなる。チームから二人の犠牲を出すものの、戦争映画としては少ないしドラマチックではない。

ナチスに略奪された美術品を奪還してハッピーという映画ではない。発見前にナチスに焼かれて苦々しく思うこともあるし、ユダヤ人から集めた金歯が出てきたときにはゾッとする。それでも心打たれるのは、味方にさえも期待されていない部隊が人類の資産を守るために尽力し、芸術や文化が単なる消費財ではなく後世に受け継がれるべき存在であることを教えてくれるからである。

全体的には淡々とした物語の運びだが、ビル・マーレイジョン・グッドマンが生み出す笑いが良いアクセントになっている。

美術品も何もかも焼き尽くしてしまえというネロ指令は、人類全体に対する罪と呼ぶべき所業である。その縮小版を個人でやろうとした日本人がいるのは実に恥ずかしい。