オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』

Hellboy II: The Golden Army, 119min

監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:ロン・パールマンセルマ・ブレア

★★★★

概要

ヘルボーイたちがゴールデン・アーミーの復活を防ぐ話。

短評

冒頭で説明が必要な事柄は全て説明しきったことにより、前作よりもスムーズに物語に入り込めるようになった。ストーリーが整理されたからといって雑多な世界の魅力が削がれるようなことは全くなく、より完成度の高い一作に仕上がっている。

感想

完成度が高まったのはストーリーだけではない。巨大な右腕一本に頼り切りだったアクションも動きの幅が広がってより魅力的になっている。射撃の腕も向上している。赤ん坊を守りながら戦うシーンにはユーモアもある。

とは言え、最大の魅力はやはり美術関係である。キャラクターやセットの造形は隅々までこだわり抜かれており、片時も目を離せない。特にトロールの市場はデル・トロ・ワールドが全開である。トロール市場を開く鍵、王冠、黄金軍団の兵士、彼らを封印している場所は、それぞれ機械仕掛けの機構が複雑な動きを見せる。歯車の動きが決闘に活かされているのも楽しい。

半魚人と美女の恋が本作でも見られる。ただそれは悲恋に終わってしまうので、なおのこと『シェイプ・オブ・ウォーター』の実現はデル・トロにとって悲願だっただろう。

エルフというよりもヴァンパイア的容貌のヌアダ王子。こんなグロテクスなエルフは初めてである。死神の風貌も印象的で、羽に多数の眼球がついている。『パンズ・ラビリンス』にも手のひらに眼球のついたペルイマンが登場することから、デル・トロお気に入りのモチーフなのかもしれない。どういった含意のある演出なのだろう。

ヘルボーイは今年リブートされ、日本では今秋に公開予定である。批評・興行ともに芳しくないらしいので映画館へ足を運ぶのは見送るが、キャラクター自体には愛着が湧いたのでレンタルが始まったら観てみたい。

本日の格言「怒っている女に理由を訊いてはいけない」。