オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ザ・チャイルド』

Come Out and Play, 86min

監督:マキノフ 出演:ヴィネッサ・ショウ、エボン=モス・バクラック

★★★

概要

大人が子どもに襲われる話。

短評

子どもは何を考えているのか分からない。よく分からないものは怖い。よく無邪気という言葉で子どもを表現するが、彼らの純粋さは善と悪の区別がない状態でもある。なんの考えもなしに小さな虫を殺す子どもを見たときの薄ら寒さが明確に恐怖の対象として描かれている。

感想

大人や老人を撲殺する子どもたちは笑顔に溢れ、実に楽しそうである。悪意の込もった行動ではない。残酷な「遊び」である。無邪気であることは可愛らしいばかりではない。

島に到着したときの不穏な雰囲気や、老人の撲殺を目撃する辺りの衝撃まではとても面白いのだが、子どもたちの標的が主人公夫婦に移ってからは少々スピード感と緊迫感に欠ける。襲われる恐怖の描写には改善の余地があると思う。

二重の意味で胸糞悪い。襲ってくる子どもたちへの嫌悪もあるし、怖ろしいとは言え子どもを殺すことへの嫌悪もある。

夫婦の妻は妊娠しており、お腹の中の「子ども」に殺されてしまう。三十郎氏としては彼女が帰還して無事に出産した方が怖ろしい結末になったのではないかと思う。意味も分からないままに子どもに襲われ、人が死ぬ光景を目撃したのである。彼女にも観客にも島の子どもが何を考えているのか分からない。無事に出産したとしても、成長していく我が子を見て恐怖を覚えずにはいられないはずである。

1976年の同名映画『ザ・チャイルド(英題:Who Can Kill a Child?)』のリメイクである。オリジナル版も気になるところだが、残念ながらプライム・ビデオでは配信されていない。