オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゴジラ』

Godzilla, 96min

監督:本多猪四郎 出演:宝田明河内桃子

★★★

概要

ゴジラが東京を襲う話。

短評

1954年の初代ゴジラ。他の怪物は登場しないし、ゴジラが人間に都合のよい行動もとらない純粋なゴジラ映画である。

感想

反核のメッセージが強い映画だが、ゴジラを唯一無二のキャラクターにしたのは一発でそれと分かる鳴き声だと思う。映画の世界が色を得た後は黒い表皮の不気味さがゴジラを特徴づけているが、白黒の時代では関係ない。(中に人間が入っている都合から)直立した姿勢やゴツゴツとした皮膚の形状も特徴的だが、デザイン自体は『原子怪獣現わる』と同じく恐竜の延長線上である。甲高い音の混じった、どこか切なさを感じるあの鳴き声が単なる「ガオー!」であったなら、ここまでの印象は残さなかっただろう。どのような生物の声を参考にして製作されたのだろうか。

オキシジェン・デストロイヤーの開発者芹沢が自ら命を絶つラストこそが、ゴジラという怪獣を反核のメタファーたらしめているのではないかと思う。ゴジラ誕生の経緯は単なる設定であり、そこに意味を持たせるのは人間の行動である。

初代ゴジラは当時としては紛れもない巨大怪獣だが、現在のゴジラと比べると小ぶりである。高層ビルが建築され街が巨大になった。街の成長に合わせて怪獣も巨大化している。核兵器から誕生したゴジラが、人間のエゴの拡大に合わせて大きくなっているようで興味深い。

モスラの登場以前から歌が重要なモチーフとして使われていた。純粋な心を伝える道具として使用されているようである。野暮な話だが、全校生徒を一箇所に集めるとゴジラが来たときに全滅しかねないので非常時には分散させるべきではないかと思う。

白黒映画は良い。技術的に未成熟であっても「古い映画」としてすんなり受け入れることができる。色の有無によって現実の世界と分断されている。ショボいCGを使う映画は白黒にしてみてはどうだろう。コントラストを高く設定すれば質感の粗も目立ちにくいのではないか。

ゴジラ

ゴジラ