オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『GODZILLA ゴジラ』

Godzilla, 123min

監督:ギャレス・エドワーズ 出演:アーロン・テイラー・ジョンソン、エリザベス・オルセン

★★★

概要

ゴジラと未確認巨大陸生生命体が戦う話。

短評

流石はハリウッドの技術力である。ゴジラの質感や動き、重量感が文句なしに格好いい。こんな怪獣が見たかった。大作映画の迫力は、他のどの国が逆立ちしてもハリウッドには敵わない。

感想

ゴジラはとても格好いい。その格好いいゴジラの登場シーンが少ないのは残念である。監督のギャレス・エドワーズが本作の前に撮った『モンスターズ/地球外生命体』から察するに、「怪獣のいる世界」や「怪獣の存在を感じさせる」ことが興味の中心で、怪獣そのものを描きたいわけではないのかもしれない。そういった意味では本格的に怪獣バトルを繰り広げそうな次回作の監督が別人になったのは正解かもしれない。しかしながら「存在を感じさせる」描写には能力が遺憾なく発揮されており、ゴジラの脚や尾といった身体の一部を映すだけで全体を映すよりもその大きさを雄弁に物語っている。

主人公フォード・ブロディの物語は気に入っている。「仕事だから」という理由で勝算の低い戦いに機械的に挑むよりも、愛する者を救うための行動という動機は受け入れやすい。彼を中心に据えることで、他の兵士たちにもそれぞれの物語があることが想像できる。行動がドラマになるとき、そこには動機が必要である。

未確認巨大陸生生命体MUTO(ムートー)はMassive Unidentified Terrestrial Organismの略。オスはメスにプレゼントを持参するかわいい奴である。念願の種付けを終えたかと思えば、卵は燃やされ、ゴジラ渾身のフルスイングで撲殺される。おまけにメスはゴジラの唾液交換的行動で寝取られ焼き殺される。可哀想な奴らである。人間相手以外では役に立たなそうな電磁パルスを太古の生物が身につけたのは何故だろう。

全体的には好きな映画だが、ゴジラを人間側のヒーローとして便利に使い過ぎている点だけは気になった。今後のシリーズ化において彼(彼女?)を活躍させ続けるためにも人気者になってもらわなければならないが、いずれは地球の秩序を乱す人間相手に目に物見せてほしいものである。

パラシュート部隊が降下する時の赤い煙がとても綺麗。モノリスが現れそうなBGMも良い。ゴジラの間近を通過するときの絶望感たるや。死を覚悟するより他にない。

パラシュート部隊が降下後、対人用ライフルを持っていたり、ドアを蹴破るときに通常の手順を踏む必要はあるのだろうか。対人武器は役立たないだろうし、ドアの向こうにテロリストが隠れているわけでもない。もっともこれらの描写をなくすと緊迫感に欠ける画になるのだろうけど。

最新作に向けた復習はひとまずこれで完了である。第一作から順を追って観てみようかとも思うが、途中で飽きるのが目に見えている。物語の構造はどれも似たようなものになるので、短期間で連続して観るものではない。ただ、どこで飽きるのか興味がなくもない。

GODZILLA ゴジラ(字幕版)

GODZILLA ゴジラ(字幕版)