オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。

『昔々、アナトリアで』

Bir Zamanlar Anadolu'da(Once Upon a Time in Anatolia), 150min

★★

あらすじ

警察や検事が容疑者を連れて遺体を探す話。

感想

2011年のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品(パルム・ドールと紛らわしいが、その次点である)。高い評価を受けているが三十郎氏には楽しめなかった。つまり三十郎氏の理解が及ばない難解な映画である。

監督は『雪の轍』のヌリ・ビルゲ・ジェイラン。カンヌの常連である。同作と同じく個々の会話や描写には見どころがあるものの、全体としてどういうことなのかはさっぱりである。近年は長尺の映画ばかり撮っているようなので、いずれは四時間の大台を超えてくるだろう。

基本的なプロットは、遺体を探し発見して検視するという至極単純ものである。殺人、遺体、容疑者、検視と来れば事件の真相が映画の核心のようだが、そこはボカされている。木を見て森を見ずどころか、枝と葉だけ見せられて幹さえ見せてくれない。

映像が美しいだとか、不穏な緊張感があるとか、印象的な台詞が多いとかいった表面的な楽しみ方もできるのだろうが、やはり作品の軸や核といったものへの手触りくらいはなければ、理解及ばずとも楽しんだとは言いづらい。少なくとも映画のラストで検視医がとった行動の意味くらいは自分なりの答えが欲しいところである。

以下余談。

車内で警察たちが熱心に議論している水牛のヨーグルトはどんな味だろう。水牛のモッツァレラは食べたことがある。牛乳製のものよりも香りが強く美味しかったように記憶している。

なかなか遺体が見つからないことに苛立った警察が容疑者に暴行を加える。止めに入った検事が一言「こんなんだからEUに加盟できないんだよ!」。暗く退屈なようだが意外にユーモアがある。

劇中で「天使のような娘」と激賞される美少女を演じているのはCansu Demirci。