オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『グランド・ホテル』

Grand Hotel, 112min

監督:エドマンド・グールディング 出演:グレタ・ガルボジョン・バリモア

他:アカデミー賞作品賞

★★★

概要

グランド・ホテルの人間模様。

あらすじ

グランド・ホテル形式の元祖。ベルリンのホテルを舞台に、余命宣告を受けた病人、その雇い主の社長、金に困った男爵、タイピスト、過去の栄光にすがるバレリーナの五人の人生が交錯する。

感想

群像劇と聞くと、紆余曲折を経て大団円というパターンを想像するが、その元祖とも言うべき本作には救われないエピソードが多いのが意外だった。ホテルという場から人生の縮図を切り取ったとき、そこには暗い物語があって然るべきなのだろう。それでも人生は続く。ホテルの営業も続く。くるくると回る回転ドアを通って、様々な人生が来ては去っていく。

当時の大スターを揃えたらしいが、恥ずかしながら三十郎氏が知っているのはグレタ・ガルボだけである。きっと『オーシャンズ11』のようなオールスター映画も時が経てば有り難みがなくなるのだろう。今秋公開予定の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』も、ブラッド・ピットレオナルド・ディカプリオの共演と聞けば三十郎氏の世代は胸躍るものの、今の日本の若者たちにとっては「顔は見たことがある」くらいの認識かもしれない。ブラピの「ゴ~マ~ルサ~ン」を真似しても何のことか理解してもらえまい。

映画の冒頭、主要な登場人物たちが入れ替わり立ち替わり電話で会話している。彼らの人物像や抱えている問題が短時間で説明される。鮮やかな手口である。

古典的名作としての価値は高いが、同じ形式の映画が量産された今、原典に触れておきたい映画ファン以外が強いて見る必要はないように感じた。