オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』

Valérian et la Cité des mille planètes(Valerian and the City of a Thousand Planets), 136min

監督:リュック・ベッソン 出演:デイン・デハーン、カーラ・デルヴィーニュ

★★★

概要

希少動物を巡る争い。

あらすじ

はじめはアメリカが建造した国際宇宙ステーション、次にやって来たのは中国、続いてインド、そして各国が続々と、果てはエイリアンまで。無尽蔵に拡大を続けて宇宙空間の九龍城と化した「アルファ宇宙ステーション」が本作の舞台である。九龍城の如く雑多なイメージの洪水が魅力的である。同じく九龍城のように収集のつかないとっ散らかったストーリーは褒められたものではない。

感想

今どきのSF映画らしからぬカラフルでポップな映像が珍しい。質感が安っぽい部分もあるが、全体的にクオリティは高い。メガネをかけて異次元と行き来するシーンには驚きがある。画面の情報量がとにかく多いので、ストーリーの気に食わないところは無視してもう一度観ても楽しめるだろう。きっと新しい発見があるはずである。

物語の主軸は人間だが、ディズニー版のスター・ウォーズに比べれば多様なエイリアンが活躍するのも嬉しい。鉄球爆撃やネバネバ銃といった小道具も多様である。

イメージを見せることを優先したためか、ストーリーには無駄が多い。また、終盤の展開には疑問が残る。変換器を渡すことを躊躇い愛とは何かまで口論せずとも、使った後に返してもらえば軍規上問題ないだろう(貸したことは黙っておけばよい)。通信機で本部に連絡し齟齬が生まれるが、壁の外に出て顔を見せればよいのではないか。また、翻訳機の存在を誇示する割に会話のできないエイリアンが出てくる。

主人公ヴァレリアン役のデイン・デハーンの演技も決して良いとは思わなかったが、相棒ローレリーヌ役のカーラ・デルヴィーニュの大げさ過ぎる演技に比べればマシである。更に酷いのはリアーナで、英語を解さぬ三十郎氏ですら棒読みに感じる。なお、二人ともセクシーな衣装は魅力的である。特にローレリーヌがビキニの上にシースルー素材を羽織った変態コスチュームは、いかにもB級SFといった趣がある。

オマージュという言葉では片付けられないほどにスター・ウォーズをパクりすぎではないかと思ったら、本作の原作コミックの方がスター・ウォーズに影響を与えたらしい。パっと思いつくだけでも、ミレニアム・ファルコン号やオピー・シー・キラー、そして「I have a bad feeling about ~」という台詞。台詞は流石にスター・ウォーズからの輸入か。宇宙空間での戦争は、完全にスター・ウォーズのそれである。