オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ダブル/フェイス』

Inconceivable, 105min

監督:ジョナサン・ベイカー 出演:ニコラス・ケイジジーナ・ガーション

★★★

概要

代理母が怖い話。

短評

妻に夫婦の営みを拒まれ、上半身裸で泳ぐ女性を覗く男、というのが本作におけるニコラス・ケイジの役どころである。彼がこの役を演じる必然性は感じないが、彼がヒーローとして活躍しない映画は、活躍するそれよりも大抵の場合面白い。

感想

映画の冒頭、夫らしき男を殺した女が赤ん坊を連れて逃走する。髪を染め、カラーコンタクトを入れて変身した彼女が写真を撮られることを嫌がる辺りまでは、逃亡犯の身元が露見するか否かのサスペンスを予感させるが、その先は意外な展開を見せる。主人公夫婦と逃亡犯の女は仲が良く、過去が露見した所で庇ってくれそうなので、別の展開になったことでスリラーとしては格段に盛り上がった。

最大の見どころは、追い詰められた母親と思しき女性から、とんだイカれ女という正体を露見させるケイティ(ニッキー・ウィーラン)の変貌ぶりである。妄念にとり憑かれた女は恐ろしい。ただ、単なるイカれ女と断じることもできないのが本作の面白いところである。

彼女のインスタグラムを見て、かつて「ジムで身体を鍛えれば、こんなセクシー美女とお近づきになれるかもしれん」と盛り上がった美女の正体が判明した。写真の左下にトウシューズが写っているので、ジムとは関係ないことも判明した。

 
 
 
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This old chestnut !!! Shot by @tonyryan_photography back in Australia - before airbrushing and Face-tune lol - ahhhh youth #TBT #ballet 👄

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ケイティとしては計算ずくの行動であり、スリラーへの導入として必要なのだが、ケイティが主人公夫婦の家に住み始める理由づけが強引である。「仕事を得たから遠方へ引っ越す」という彼女に対して「うちで子守すればいいじゃん」と引き留めるのは、将来を考えれば無責任すぎないか。

『ダブル/フェイス』という邦題は、本作で夫婦を演じたニコラス・ケイジジーナ・カーションの両名が出演している『フェイス/オフ』を意識したものだろう。なお、本作のニコラス・ケイジは主役ではなく三番手である。

ダブル/フェイス(字幕版)

ダブル/フェイス(字幕版)