オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ミスター・ガラス』

Glass, 129min

監督:M・ナイト・シャマラン 出演:ブルース・ウィリスジェームズ・マカヴォイサミュエル・L・ジャクソン

★★★★

概要

デヴィッド・ダンvsビーストvsミスター・ガラス。

短評

スーパーヒーロー映画の全盛期に、同じくユニバース形式を取り入れて、ヒーローのメタ視点をぶつけてくる面白さよ。それも20年近く前のキャラクターを引っ張り出して。豪胆にぶつけてきたのか、スーパーヒーロー映画の人気を受けて着想・実現したのか。本当の因果関係は分からないが、こうした変化球の存在自体が魅力的である。

感想

力の激突を予感させる冒頭から一転し、デヴィッド(ブルース・ウィリス)とケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)が精神病院に収容される序盤から中盤にかけては、ヒッチコック・ファンのシャマランらしい緊張感が漂う。病院や廃墟、地下通路の静謐な不気味さに加え、弦楽器や打楽器の不協和音が不安を掻き立てる。

精神病院ではヒーローに対して合理的な説明を加えることで、映画の根本的な価値観を揺さぶる。この議論は信仰と科学に置き換えてもよいものである。目の前の事実をどのように受け入れるかという課題が提示される。

一人二十役のジェームズ・マカヴォイの演技に注目が集まるが、三十郎氏の好きなキャラクターはミスター・ガラス(サミュエル・L・ジャクソン)である。腕力に自信のあるヴィランの場合、ヒーローとの力比べの結果は設定上の強さに依拠したものにしかならない。対して、ガラスのように非力なヴィランの場合、知略を駆使してヒーローを惑わせる。前者はアクション映画らしい迫力を産むが、後者にはヒーローだけでなく観客を惑わせ驚かせる力がある。闘って勝つだけの話よりも、先が読めない分楽しめる。『ダークナイト』のジョーカーもこのタイプである。

ダークナイト』におけるヒーローとヴィランの対比もまた『アンブレイカブル』的であり、これらの共通項が三十郎氏好みなのだろう。

そのような男が仕掛ける謀略である。いわゆるシャマラン的などんでん返しも彼の作戦の範疇に収まることで、観客を驚かせるためだけに取って付けたようなものではなく、計画完遂の清々しさと意外性に溢れたラストになっている。

誘拐されていた美脚のチアリーダーたちは、Diana SilversNina WisnerShannon Destiny RyanKyli Zionの四人。四人とも可愛いが、やはりケイシー役のアニャ・テイラー=ジョイが一番である。彼女の纏う力強さと儚さが同居した不思議な雰囲気がたまらない。ただ可愛いだけでなく一度見れば忘れない個性的な顔である。ジョイという名前の女の子は可愛いのだ。嗚呼、ジョイちゃん可愛い。

ミスター・ガラス (字幕版)

ミスター・ガラス (字幕版)