オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『二つの真実、三つの嘘』

Proxy, 122min

監督:ザック・パーカー 出演:アレクシア・ラスムッセン、アレクサ・ハビンズ

★★★

概要

ファイトクラブごっこした女の末路。

あらすじ

出産を控えた妊婦エスターが強盗に襲われ流産するという目を背けたくなるような残酷な冒頭。彼女がグループセラピーに参加して少しずつ傷を癒やすのかと思いきや、様子がおかしい。なんと事件は妊婦自身による仕込みである。

感想

単なる強盗ならまだしも、妊婦の腹を執拗に殴って胎児を殴り殺すなんて信じられない。そんな同情と共に幕を開けたのに、恋人に頼んで事件を偽装したというのだからもっと信じられない。とんだサイコパスぶりに恐れ入る。「母親にはなりたくはない。妊娠中に周囲がチヤホヤしてくれるのが気持ちいい」とその理由を明かすシーンでは、サイコパスはそんな考え方をするのかと妙に納得してしまった。

サイコ女のエスターは、グループセラピーで出会ったメラニーにご執心。エスターがメラニー邸で事件を起こすまでの展開は、とてもゾクゾクするスリルがある。メラニーにも不審な点はあるが、エスターは我が子を殺す異常者である。彼女の行動から目が離せない。

メラニー邸での事件が起きるのは映画の中盤である。クライマックスをここに持ってきて残りはどうするのかという心配が的中し、その後は中弛みする。しかし、終盤にもう一波乱用意されており、エスターだけではない狂人だらけの世界にうんざりを通り越してワクワクさせられる。

運も手伝って計画をやり遂げたメラニーだが、彼女の次なる計画は遅かれ早かれ破綻するだろう。母の悲劇を書籍化しテレビでインタビューを受けるという承認欲求の詰まった妄想が示唆している。注目を浴びるほど、彼女の過去の矛盾に気づく人が増える(メラニーの夫が彼女の嘘に気づくシーンからも分かる)。

登場人物の一人がビニール袋を用いて軽めの窒息オナニーをしている。アメリカの映画を見ていると、窒息プレイが快感を得るためのポピュラーな手段として普及しているように思われる。彼らは快楽のために薬物も利用するし、良くも悪くも目的に対して合理的である。

エスターという名前の女は異常者ばかりなのか。