オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『グッドフェローズ』

Goodfellas, 145min

監督:マーティン・スコセッシ 出演:レイ・リオッタロバート・デ・ニーロ

★★★★★

概要

とあるギャングの半生。

短評

ヘンリー(レイ・リオッタ)、ジミー(ロバート・デ・ニーロ)、トミー(ジョー・ペシ)、この三人が揃った不穏な車内の映像が映画の始まりを告げる時点で、本作の成功はほぼ約束されている。成功は既に決まったのだ、あとは流れるように一気呵成にひた走るのみである。

あらすじ

ヘンリー・ヒルという男が、ギャングとして成り上がり失墜するまでの話である。「まともな仕事はクソだ」という価値観の下、盗み、脅し、殺し、売り、何でもありの世界が彼を待っている。『ゴッドファーザー』のように陰気臭いマフィアの世界ではない。愉快で楽しいワイズガイの世界である。

感想

ワイズガイの世界は治外法権。警察も判事も丸め込むし、たとえ収監されようとも刑務所では特別扱い(イタリア系だけに刑務所での食事も凝っていて美味そうである)。やっていることはえげつないはずなのに、物凄く魅力的であるかのように見せてしまう。少年が「大統領よりも憧れる」のも無理はない。スコセッシの手に掛かれば、殺人だって愉快なイベントである。

彼らの生き様が魅力的に映るということは何を意味するだろう。間違っているはずのものが正しく見える。間違っているはずという常識が揺さぶられる。自分の退屈な人生が試されている。

二時間半という長尺が信じられないほどに、物語はテンポ良く流れるように進行する。テンポを変える時には、ジョー・ペシがキレて沈黙を作ってもいいし、音楽を切り替えてもよい。その全てが完璧なバランスとタイミングで構成されている。

今回気付いたのは、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』と構成が非常に似ている点。モラルの麻痺した男が非合法な方法で成り上がる様を魅力的に描き、最後には失墜する。ただ、失墜後の姿は対称的である。本作のヘンリーが証人保護プログラム下に入り、普通の人としてつまらない余生を送ったのに対し、『ウルフ~』のジョーダンは刑務所で金持ちとしての特権を行使する。その姿はギャングとして成功していた頃のヘンリーたちのようである。どちらもろくでもない人物という点が共通するが、ジョーダンはヘンリーよりも報いを受けない。金持ちはギャング以上にやりたい放題である。

グッドフェローズ (字幕版)

グッドフェローズ (字幕版)