オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『スパイダーマン』

Spider-Man, 121min

監督:サム・ライミ 出演:トビー・マグワイアキルスティン・ダンスト

★★★★

概要

高校生が蜘蛛に噛まれて特殊能力を獲得する話。

短評

三十郎氏にとってのピーター・パーカーは、このトビー・マグワイアである。今見ると随分おっさん臭い高校生だが、ヒロインを遠目に見てニチャアと笑うイケてない男が一夜にしてスーパーパワーを身に付け変貌するワクワク感を楽しませてくれるのは、彼のスパイダーマンだけである。

感想

当時の先端技術が可能にした「スイング」の格好良さよ。蜘蛛の糸を使って弧を描く軌道が美しい。直線的ではない無駄のある動きに、遊びと面白さがある。軌道だけでなく、移動速度にも変化があるのが楽しい。「軌道」と「速度」の二点で重力を感じさせるのがスイングの良さだと思う。今でこそ他のスパイダーマン映画でも見られるようになったスイングだが、公開当時は衝撃的に格好よかった。

いつも殺されて気の毒なベンおじさんだが、改めて見ても良いシーンである。ピーターが一度強盗を逃した時、プロレスの興行主に対し観客も「ざまあみろ」と思うはずである。そこでしっぺ返しを食らう。自分の行動が招いた結果を受け止め、責任を自覚する。単なる超能力者ではない、ヒーローとしてのスパイダーマンの誕生に必要な出来事だった。

たくさんの子どもが乗ったロープウェイ的なものとMJのどちらを救うのか選択を迫られるシーンではトロッコ問題を思い出した。スパイダーマンは両方を救う。トロッコ問題の方も、先日、「こうすればトロッコを止めて全員救える」という方法が話題になっていた。常に第三の道を模索することは大切だと思うが、それが出来ない時にどうするのかという思考訓練においては、一種の揚げ足取りである。スパイダーマンに両方を救うことが無理だったならば、どうしたのだろう。

一部では不評なMJ役のキルスティン・ダンストが三十郎氏は好きである。雨の中の蜘蛛的ロマンチックなキスシーンもとても良い。スパイダーマンもずっと逆さまだと頭に血が下ってしまうだろう。そこで思いを寄せるセクシー美女との濃厚なキス。別の部分に血が巡ってバランスが取れる。

スパイダーマン (字幕版)