オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。

『オペラハット』

Mr.Dees Goes to Town, 115min

★★★

あらすじ

2000万ドルの遺産が転がり込んできた男の話。

感想

映画の冒頭、猛スピードで崖を転落していく車に乗っていたのは大富豪のセンブル。彼の遺産の相続人は、会ったこともない甥、本作の主人公ロングフェロー・ディーズ(ゲイリー・クーパー)である。

いきなり大金を手にした男には悪い奴らが寄ってたかる。自分たちで遺産を管理すべくディーズを丸め込もうとする弁護士団や、色香を振りまき特ダネを狙う女記者。狙われるディーズの方はと言えば、単なる純朴な田舎者かと思いきや意外にも切れ者である。彼はその切れる頭と莫大な遺産を金儲けには使おうとせず、困っている人たちを助けるために使おうとする。それでは困ると弁護士団。遺産を使わせまいとし、ディーズを異常者扱いし裁判へと持ち込む。

大金を手にした田舎者ディーズの行動は好奇の目に晒され「シンデレラマン」という蔑称をつけられる。ラッセル・クロウ主演で、ジム・ブラドックというボクサーの半生を描いた映画も『シンデレラマン』というタイトルだが、こちらには悪い意味合いがあったような記憶がない。

裁判の中で、人々の「考える時の癖」を指摘するシーンが面白い。意味のない落書きをしたり、鼻を動かしたり、関節を鳴らしたり。自分も何かおかしなことをしていないかなと不安になるのだが、自分では気付かないのが癖というものである。

ディーズは困窮する農民の悲痛な訴えに胸を打たれ、遺産を全て彼らのために使ってしまう。ヒューマニズム溢れる素晴らしい決断である。三十郎氏にも大富豪の見知らぬ親戚がいないものか。ディーズのように全額とは言わずとも、少しくらいは善良な使い方ができるかもしれない。しかし、彼のところにきた農民が銃を持っているので、半分はテロリストの主張に屈したようなものではないかとも思う。

アダム・サンドラー主演の『Mr.ディーズ』は本作のリメイク。