オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』

The Hangover, 99min

監督:トッド・フィリップス 出演:ブラッドリー・クーパーザック・ガリフィアナキス

★★★★

概要

バチェラー・パーティーで記憶をなくす話。

短評

最高の阿呆映画である。酔っ払ったりハイになったりしてバカをやる映画はよくあるが、これほど愉快な映画は他にない。とんでもないバカをやらかしていることだけは分かるのに、本当に何をやらかしたのか本人たちにも分からない。正に最悪の二日酔い的状況である。

感想

誰しも一度くらいは記憶をなくすまで飲んだことがあるのではないかと思う。ラスベガスという最高の舞台で、誰もが持つ失敗談の究極強化版をやらかす。これはもう最高に素敵な阿呆である。醜態の影と二日酔いに苦しむ朝は「二度と酒は飲まない」と(一瞬だけ)誓うほどに嫌なものだが、他人の失敗は実に面白い。面白いので「自分もラスベガスで解放的になってみたい」と願う。しかしラスベガスまでは行けないので、ただ酒の失敗ばかりを繰り返す。

メインとなる登場人物は、アラン(ザック・ガリフィアナキス)、フィル(ブラッドリー・クーパー)、ステュ(エド・ヘルムズ)の三人。善意の阿呆に悪意の阿呆、そして事態の収集を図る常識人。これがパーティー映画の黄金比である。

三人の中ではブラッドリー・クーパーが圧倒的にクールである。「先生、質問が…」とやって来た生徒に対して「悪いが週末は先生じゃない」と返すナイスな教師である。阿呆集団を組むにしてもかくありたいものだが、やはりMVPはザック・ガリフィアナキスである。本作で一躍スターダムに躍り出た彼の天才的ダメ男ぶりは比肩する者がいない。あまりにハマり役なので、その後のキャリアがアランのキャラクターに引っ張られている感がある。役者として評価されたいなどと欲を出さず、コメディ映画でその天賦の才を活かして欲しい。

エンドロールでは、ハイになって記憶をなくしている間の写真が流れる。その時は「まったく阿呆をやらかしたものだ」と思うが、後になればきっと良い思い出になる。これについては身に覚えがある。

今日の覚えておきたいフレーズは“Whatever happens in Vegas stays in Vegas”。