オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン』

My Life Directed by Nicolas Winding Refn, 58min

監督:リヴ・コーフィックセン 出演:ニコラス・ウィンディング・レフンライアン・ゴズリング

★★

概要

ニコラス・ウィンディング・レフンの妻によるドキュメンタリー。

短評

オンリー・ゴッド』の撮影期間中にバンコクで撮影されたドキュメンタリー。映画の撮影現場におけるレフン監督と主演のライアン・ゴズリングのやり取りは面白いが、このままでは単なる特典的なメイキング映像になると思ったのか、レフンの妻であり本作の監督でもあるリブ・コーフィックセンの肥大化した自己顕示欲が暴走を始める。

感想

中盤までは映画監督の夫を妻が密着して追いかけ、皆が興味のあるニコラス・ウィンディング・レフンに迫っていく。ところが中盤以降では「夫を支えるだけの人生に意味があるのか」と不満を披瀝し始め、被写体の中心に自分を据え始める。芸術家に振り回される妻の悲哀である。

彼女に共感する人もいるだろうが、共感が欲しいだけならSNSでもやっていればよい。有名監督である夫の名を利用した映画を作る必要はない。レフン監督との結婚前は女優だった彼女の表舞台への浅はかな憧憬と才能の欠如が露見するだけである。自分への注目を集めたくて仕方がないので、最初に追っていたはずのニコラス・ウィンディング・レフンについての掘り下げは浅いままで終わる。その結果のタイトルが『マイ・ライフ~』となり、パッケージにはカメラを構える自身の姿が写っている。カメラを持つことを止めて自分を撮影させていたくせに。

妻が、自分の名前と責任で作品を世に送り出す難しさやプレッシャーを理解したならば、レフン家にとってはプラスかもしれないが、観客にとっては関係ない。

レフン家の可愛らしい二人娘ローラとリジールーに癒やされる。幼い頃からライアン・ゴズリングに遊んでもらうなんて、同世代の男の子たちは立つ瀬がなかろう。裸で遊んでいる様子も映っており児童ポルノ的だなと思っていたら、股間部分にはモザイクが掛かっていた。

レフン監督が撮影中に腹部に巻き付け、ライアン・ゴズリングにもプレゼントしたカラフルな布は何なのだろう。