オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『宇宙戦争』

The War of the World, 85min

監督:バイロン・ハスキン 出演:ジーン・バリー、アン・ロビンソン

他:アカデミー賞特殊効果賞

★★★

概要

火星人が地球を侵略する話。

短評

2005年のスピルバーグ版ではなく1953年のバイロン・ハスキン版。本作はカラー映画だが、同年の映画にはモノクロの『地上より永久に』や『ローマの休日』があるので、ちょうどモノクロからカラーへの移行期か(技術自体は1930年代から)。

感想

スピルバーグ版を観た時には、最後の「地球の細菌に耐性がなく自滅する」という展開が余りにも突飛で呆気にとられた。落胆さえした。しかし、今考えてみると意外にも示唆的である。かつてヨーロッパ人たちが南米を侵略した際に原住民たちの驚異となったのは、騎馬隊の移動力に加えてヨーロッパから持ち込まれた病原菌であったという(ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』だったと思うが、W.H.マクニールの『世界史』だったかかも)。本作では地球の細菌が火星人を撃退したが、逆の可能性もあったわけである。現実の歴史では、その逆の可能性が実際に起っている。

アカデミー特殊効果賞を受賞しており、火星人が都市を破壊していく様子や映画冒頭の惑星を紹介する映像は今見ても十分に楽しめる。印象に残ったのは、『マーズ・アタック!』さながら牧師が友好的態度で火星人を迎えようとするシーン。ウォー・マシーンが通る場所は焼き尽くされてモノクロの大地のようになっており、牧師だけがパートカラーのようになっている。ウォー・マシーンの攻撃を受けた人間が消失する様子も印象的である。