オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『100歳の華麗なる冒険』

Hundraåringen som klev ut genom fönstret och försvann(The Hundred Year-Old Man Who Climbed Out of the Window and Disappeared), 114min

監督:フェリックス・ハーングレン 出演:ロバート・グスタフソン、イヴァル・ヴィクランデル

★★★★

概要

100歳の誕生日に老人ホームから脱走した老人の話。

あらすじ

誰しも人には過去がある。100歳ともなれば100年分の過去がある。本作の主人公であるアラン翁の過去は、20世紀の歴史そのものである。スペイン内戦やマンハッタン計画に参加したり、CIAとKGBの二重スパイになってみたり。言ってしまえばスウェーデン版『フォレスト・ガンプ/一期一会』である。スウェーデン国内だけではスケールが小さ過ぎるのか、アランがワールドワイドに活躍するため、世界中の観客が楽しめるようになっている。

感想

アランは爆弾狂である。映画冒頭、アラン翁は飼い猫を殺したキツネに対してダイナマイトで復讐する。アラン翁は何の躊躇いもなく爆殺を遂行する。キツネは実に呆気なく吹き飛ぶ。実に飄々としたものである。彼は一事が万事この調子である。後頭部殴打も、死体遺棄も、去勢手術も、原爆開発も、全て飄々とやり遂げる。これらの大変な出来事を、半分呆けた老人がのらりくらりと語っているのが癖になる。どうやら北欧コメディとは笑いのツボが合うらしい。

アラン翁の荒唐無稽な過去が語られる合間に、現在の時間軸では間抜けなサスペンスが繰り広げられる。この組み合わせのおかげで全体のテンポが良い。また、100歳のアラン翁が苦境とも言えない苦境を飄々とくぐり抜けることで、過去のアランの話にもある種の説得力が生じる。

原作は『窓から逃げた100歳老人』というベストセラー小説。是非読んでみたい。

ガイ・リッチーの映画以外でアラン・フォードを見るのは珍しい。いつものように怒りっぽいマフィアの親玉役である。

100歳の華麗なる冒険(字幕版)
 
窓から逃げた100歳老人

窓から逃げた100歳老人