オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『テイキング・オブ・デボラ・ローガン』

The Taking of Deborah Loagan(The Taking), 90min

監督:アダム・ロビテル 出演:ジル・ラーソン、アン・ラムゼイ

★★★

概要

アルツハイマーを患った老婆を追うモキュメンタリー。

感想

まずは設定の妙を褒めるべきである。医学的な正誤はともかくとして、自分自身や周囲の人間のことが認識できなくなり奇行を繰り返すアルツハイマーという病が、病気であると認識される以前は、悪魔憑きにも見えたであろう。

老婆の奇行は病気の症状なのか、悪魔憑きによるものなのか。そのミステリだけではホラー映画として盛り上がりに欠ける。従って物語は悪魔憑きの方向へと舵を切らざるを得ない。アルツハイマー要素が消えて悪魔憑きの映画になってしまえば、ドキドキさせつつ時折バーンと驚かせる凡庸なホラー映画になってしまう。

アルツハイマー状態のデボラが自身の皮膚を剥ぐなどグロテスクな描写が多い。悪霊状態になってから幼女を食べようとする姿もおどろおどろしいが、現実の延長上でのグロ描写の方がリアリティがあって怖かった。

監視カメラに映ったデボラの瞬間移動だけは残念な描写である。病気から悪魔憑きへと一気に跳躍し過ぎているし、その後の展開にも活かされない。