オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『スーパーサイズ・ミー』

Super Size Me, 99min

監督:モーガン・スパーロック 出演:モーガン・スパーロック、アレクサンドラ・ジェイミーソン

★★★★

概要

マクドナルドの食品だけを30日間食べ続ける話。

あらすじ

マクドナルドの食品だけを食べ続けるとどうなるか。まずてきめんに体重が増える。最初の1週間で約4キログラムの増加。最終的には11キログラム増加する。重い筋肉が減り軽い脂肪が増えての結果なので、数字以上に重篤な結果である。健康を測るあらゆる数値が悪化する。心臓や肝臓が異変を見せ始め、3週目には医師に中止を勧告される。気分は落ち込み、食べている時だけは気持ちよくなる中毒状態に陥る。恋人からは「以前ほど激しくなくなった」「立ちが悪くなった」と罵られる。

感想

ただマクドナルドの食品を食べているだけなのでどの食品が悪いのかは分からないし、平均的なアメリカ人に合わせて運動量を制限したことの影響もあるだろう。科学的な考証とは言えないかもしれないが、健康や食事について考え直すいい機会になる。ジャンクフードを10回食べる毎に本作を1回観ることを勧める。午前十時の映画祭で上映中の『パルプ・フィクション』には気を付けたほうがいい。スプライトでバーガーを胃に流し込みたくなる。

撮影時よりも状況が改善している点がある。インターネットの普及が進み、栄養成分についての情報を得やすくなった。大きな進歩である反面、消費者の自己責任も大きくなっている。大半の全国チェーンは栄養成分を公開している。牛丼は思っていた以上にカロリーが高く、食べるのに二の足を踏むようになった。コンビニやスーパーで売っている菓子パンもパッケージ裏に栄養成分が掲載されており、カロリーの高さに驚く。特に高いのはドーナツで、とてもおやつと呼べるようなかわいいものではない。

劇中で「喫煙者を批判するのは許されるのに、何故デブを批判してはいかんのか」と主張する人がいる。近年ではファットシェイミングなる言葉も登場し、ますます批判の許されない状況になっている。健康など知ったことではないという潔さである。

しかし、健康のことだけを考えて食べるのは辛い。食事とは人生における大きな楽しみである。深夜に食べるジャンクフードの妖しい魅力は抗い難い。シナシナになったマックのフライドポテトが食べたい。チーズのどっさり乗ったピザが食べたい。卵と紅生姜を乗せた牛丼をかき込みたい。硬め・濃いめ・多めの家系ラーメンにご飯とニンニクを突っ込みたい。健康とは自らの欲望を否定してまで維持しなければいけないのか。失ってからでは遅いが、気を付けているからといって健康でいられるとは限らない。どうしたものか。

実験終了後の解毒作業に協力してくれたヴィーガンの恋人とは2006年に結婚し、2011年に離婚したらしい。