オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『Make Us Dream』

Make Us Dream, 103min

監督:サム・ブレア 出演:スティーヴン・ジェラード

★★★★

概要

“人類のキャプテン”スティーヴン・ジェラードのドキュメンタリー。

感想

Jリーグブームや日韓W杯でのベッカムフィーバーを経験していたものの、どちらかと言うと野球の方が好きだった三十郎青年をすっかり変えてしまったのがイスタンブールの奇跡である。当時の三十郎氏はACミランリヴァプールも知らない。フジテレビの実況が「先制!それもマルディーニ!」と絶叫していたがマルディーニが誰なのか分からない。カカもシェフチェンコもこの試合で知った。知っていた海外のチームはベッカムが所属していたマンチェスター・ユナイテッドレアル・マドリードだけである。

前半が終わったところで「もう試合は決まった」と寝ようか迷ったが、我慢して後半まで見た。そして三十郎氏の中でパラダイムシフトが起こった。後半の展開についてはご存知の通り。とにかく鮮烈だった。テレビに抜かれた印象的な観客の反応を覚えているくらいに鮮烈だった。その観客は本作にも映っている。三十郎氏も今ではすっかりフットボール・ファンである。この試合はDAZNYoutubeで配信しているので、また見てみたい。

この試合の後に移籍についてかなり悩んでいたこと、監督のラファエル・ベニテスとはあまり上手くいっていなかったことが描かれていたのは新鮮だった。結局リヴァプールに残ることを選択したジェラードだが、その後プレミアリーグを制することはなかった。13-14シーズンではあと一歩のところまで迫りながら、彼自身のあの転倒により優勝を逃している。他のクラブに移籍していれば間違いなく優勝を経験できた選手でありながらリヴァプールに残り、悲劇的とも言える結末となったことが彼のドラマを特別なものにしている。どちらが正しかったのかは分からないが、願わくは監督としてリヴァプールを優勝に導いてドラマをハッピーエンドで完結させてほしいものである。

現在はハリー・ケインが似たような境遇に置かれているのではないか。彼はどんな選択をするのだろう。