オーガナザイズド

ONE OF THESE DAYS, I'M GONNA GET ORGANIZ-IZED.

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald, 134min

★★★

あらすじ

グリンデルバルドが脱獄してパリに行く話。

感想

シリーズの第一作は世界観を紹介すること自体が物語となる。対して続編では話を展開させて進めねばならず、最大の魅力である魔法生物たちの活躍とのバランスをとるのが難しくなってくる。残念ながら本作では上手くバランスがとれているとは言えず、ニュートや魔法生物の活躍が本筋と微妙に噛み合っていない。グリンデルバルドがクリーデンスを手に入れるというのが話の軸で、主人公たちはその周辺をうろついているだけである。ニフラーだけがストーリーに必要な活躍を見せてくれる。そして相変わらずかわいい。

前作で切ない別れ方をしたジェイコブを物語に復帰させる方法に注目していたのだが、雑なものだった。前作ではジェイコブが観客と魔法世界を繋ぐ接点を担うことで、映画の世界へと引き込んでくれた。本作では彼がすんなりと魔法世界側に馴染んでしまったことでキャラクターとして魅力を失っている。クイニーの方も感情の変動が激しすぎて、最後の展開に繋げるために無理やりやっている感が否めない。

スクリーン上下の黒い余白部分を利用することで、映画の外の世界に飛び出してくるように見えるフレームブレイクと呼ばれる演出が前作に引き続き採用されている。この手法は奥から手前に動いてくる被写体に効果絶大で、正に「飛び出す」感覚が味わえる。一方で動きがなかったり、他の方向への動きにはあまり効果的とは言えない。3Dに期待する「飛び出す」ではなく「奥行き」ばかりが強調されてきた中で、この一見単純に思える演出は画期的だった。前作で初めてこの演出に触れた時は随分と感動した。恐らく好評だったのだろう、本作では大幅にフレームブレイクするシーンが増えていて嬉しいのだが、あまり効果的ではないシーンも増えている。

ティム・バートンの映画以外でも白塗りのキャラクターを演じるようになったジョニー・デップ。終盤におけるグリンデルバルドの手口は見事で、今後に期待が持てる敵キャラクターへと成長した。力のゴリ押しではなく策略で人を動かす手口は見ていて面白い。ところで純血主義者たちを敵として設定する一方で、物語を作るために血統主義を利用するのは自己矛盾ではないのか。このバランスは繊細微妙で舵取りが難しい。話の核になっている人物の出自が実は既存のキャラクターとは全くの無関係でした、というのを本当にやってしまうと観客はあ然とし落胆するハメになることを既に『最後のジェダイ』で学習している。