オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance), 119min

★★★★★

あらすじ

かつて一世を風靡し落ちぶれた役者がブロードウェイで一発当てようとする話。

感想

こんなはずじゃなかったと現状を嘆きもがくおっさんに突き刺さる傑作。

第87回アカデミー賞で4部門を受賞した本作だが、セルフパロディとも言える役で怪演を見せたマイケル・キートンがオスカーを受賞できなかったのは残念だった。同年に受賞したエディ・レッドメインは若くてこの先も多くのチャンスがあるし、事実翌年の『リリーのすべて』の方が良かった。そうなるとディカプリオは未だオスカーを獲れていないことになるというのも因果は回って面白い。『ラ・ラ・ランド』でオスカーを受賞したエマ・ストーンも本作のサム役の方がハマっていて魅力的である。

アントニオ・サンチェスが手掛けたサウンドトラックが作品全体にリズムとテンポを与えている。ワンカット風の撮影と共に観客を映画の中に引きずり込むのに一役買っている。プレビューの後にリーガンとマイクが言い争うシーンは特に素晴らしく、ある種のラップバトルのように聞こえる。

本作の監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥと撮影監督エマニュエル・ルベツキが『レヴェナント:蘇りし者』に続きタッグを組んだVR作品が2017年にカンヌ映画祭で上映されたそうだが、日本でも見られないものか。

我々おっさんも自らのエゴと決別して飛び立とう。文字通り飛び立つ荒療治が必要なのが問題だが。

今日の言ってみたい台詞は“Popularity is a slutty little cousin of prestage.”

Birdman

Birdman